冬の寒さが少しずつ和らいできました。暖かな春の季節が待ち遠しいですね!
本日より、企画展「四季の花を描く」が開催されます。日本の女流画家である堀文子と森田りえ子の作品を展示しています。季節によって変わる花々の姿を是非ご覧ください。本コラムでは二人の画家について触れていきます。
・堀文子(1918-2019)
東京都出身。女性でもハンディキャップが無い職業に就こうと考えて画家の道を志した。「群れない、慣れない、頼らない」を座右の銘とし、世間のしがらみや権威に囚われず、自身の信じる道を貫いた人物。自然の中に存在する命や花鳥をモチーフとした作品が多く、「花の画家」とも呼ばれていた。晩年は大病を患い遠出することが難しくなったため、顕微鏡を使って微生物を観察することに注力し作品を描いている。「この世の不思議を知りたいということが、私に絵を描かせている」と語り、彼女の探求心は生涯衰えることはなかった。
作品紹介 「牡丹」
牡丹は春から梅雨の時期にかけて咲く花で、薔薇のような美しく大きな花弁が特徴。古くは赤い花が主流だったが、品種改良が進んだ現在では様々な色の花を見ることができる。牡丹はその美しさから「富貴花」や「花王」などとも呼ばれる。
・森田りえ子(1955-)
兵庫県出身。幼い頃より美術に興味を持ち、京都市立芸術大学で日本画を学ぶ。1986年に第1回川端龍子大賞展で大賞を受賞。四季を彩る花々や、京都の伝統文化を受け継ぐ舞妓達、エキゾティックな女性像などを卓越した描写力で表現する日本画家であり、現在の日本画壇において次代の日本画を託される画家として注目されている。
作品紹介 「秋華(いとぎく)」
秋の菊は9月~11月に見頃を迎える。糸菊は別名「管菊」と呼ばれる通り、花びらがとても細く、放射状に花が開く姿は花火の様に見える。作者は数多くの花を描いているが、最も代表的なモチーフは菊と言えるほど馴染み深い花である。本作品でも緻密な筆致で糸菊を見事に描いている。花びらは下書き無しで描かれており、即興で描かれた花びらは躍動感に溢れ、画面いっぱいに凛とした気高さも漂っている。
企画展「四季の花を描く」は5月30日(月)まで開催しています。
また、常設展にあるルノワールの作品が今期より「白い帽子の女」になりました。こちらも合わせて是非ご覧ください!