2月19日(日)、三甲美術館にて「スペシャルコラボ きさらぎコンサート」が開催されました。今回はピアノ奏者の加藤昌則さんと篠笛奏者の佐藤和哉さんの初のコラボコンサートになります。
始めに佐藤さんが篠笛を演奏されました。篠笛はシンプルな造りの原始的な楽器で、とても繊細な音を奏でることが出来ます。『舞姫』という曲では佐藤さんの出身である佐賀県に伝わる小夜姫伝説がモデルとなっており、物語で描かれる悲恋の感情を張り詰めた篠笛の音で表現しています。
佐藤さんは自分が見た風景や心に感じた気持ちを篠笛で表現することを目指しており、この日も美術館の庭園から見える景色に合わせた音色で演奏されました。
次に加藤さんのピアノ演奏では、クラシックの歴史解説を交えつつ春をテーマにした曲を演奏していただきました。ヨーロッパの音楽家が作る春の曲は日本より冷たい印象で、同じテーマでも環境の違いで曲の雰囲気にも差が現れるのがとても興味深かく感じられました。また、加藤さんと言えばお馴染みの指定された3音のみで即興で作曲する企画も開催されました。難しい音を指定されながらも見事に演奏され、会場から大きな拍手が贈られました。
ピアノと篠笛の共演では、四季にちなんだ曲のメドレーを演奏していただきました。のびのびと演奏する篠笛と多彩な旋律を奏でるピアノが交互にリードしたり調子を合わせたりする姿は圧巻でした。
ピアノと篠笛は全く異なる楽器ですが、それぞれの方法で風景や人間の感情を音で表現するという共通点で繋がった今回のコンサートはとても素晴らしいものになりました。