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学芸員コラムCOLUMN

2025年2月26日 更新 / 企画展について

器を描く

2月26日(水)より企画展「器を描く」が開催中です。
絵画で描かれる題材は数多くありますが、今回は「器」が描かれた作品を展示しています。器の模様は規則的なデザインが多く、植物や生き物とは異なる美しさがあります。自然物と人工物の対比に着目しながらご覧ください。本コラムでは企画展示の一部をご紹介いたします。

 

山口華楊 「鉄仙花」
京都府生まれ。友禅作家の家庭で育ち、花鳥画の名手である西村五雲に師事。デフォルメされたデザインと明瞭な色遣いによる近代的な作風を確立した。
描かれている鉄仙花は初夏に咲く植物で、強靭な蔓を持つことから「鉄線花」とも呼ばれる。透き通ったガラス器に刻まれた切子の洗練された模様は画面に清涼感を与え、活けられた寒色の鉄仙花の魅力を引き立てている。

 

小倉遊亀 「花と瓶」

滋賀県生まれ。教師として勤めながら画家を志し、安田靫彦のもとで学ぶ。数多くの作品が入選した功績から、日本美術院の最高位会員である同人に女性初で選ばれた。
描かれているのは古九谷の花瓶と山茶花。細やかな筆致で花瓶の幾何学模様が丁寧に描かれている他、土台、花、花瓶を同じ色種で描くことによって画面に統一感が生まれている。

 

この他にも様々な器が描かれた作品を展示しています。展示期間は5月26日(月)まで。
皆様のご来館をお待ちしております!