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学芸員コラムCOLUMN

2022年6月5日 更新 / その他

今年も沙羅の花が見頃を迎えます

6月になり、今年も当館の沙羅の花が咲き始めました。

三甲美術館は別名「沙羅双樹の館(さらそうじゅのやかた)」と呼ばれ、敷地内には約180本の木が植えられています。お花は可憐な白い花で、6月中旬に見頃を迎えます。

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」の平家物語の冒頭にあるように、沙羅は一日で散ってしまう儚いお花です。日本では夏椿のことを沙羅双樹と呼んでおり、当館の沙羅双樹も夏椿にあたります。本来の沙羅双樹はインドのフタバガキ科のもので、日本の気候では育ちません。どちらも儚く散ってしまうところが似ていて、仏教が伝達しいく中で夏椿のことを沙羅双樹と呼ぶようになったそうです。

当館の建物は元々三甲株式会社の福利厚生施設として使われていたもので、沙羅の木は仏教に傾倒していた故・後藤甲子男(2代目会長)が平家の盛者必衰に習い“奢ることなく努めるように”と会社の繁栄や社員の奮闘を願って美術館に表現されたものになります。

 

お花はこれから見頃の時期を迎えます。一年に一度のチャンス、この機会に是非ご覧ください。
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