第12回長良川川柳 応募総数763点
たくさんのご応募ありがとうございました!
厳正な審査の結果、以下18点が入選作品に決まりました。
最優秀賞
富士よりも 高く上がった 孫の凧
(静岡県・こでまりさん)
優秀賞
本棚の 三島由紀夫で 母を知る
(東京都・ウニもどきさん)
生きてたら 二十歳の墓に 酒献ず
(岐阜県・田原宣仁さん)
秀作賞
スマホオフ 忖度無しの 日曜日
(島根県・スサノオさん)
寝息揃う 屋根に花咲く 月の夜
(長崎県・ルカーノブヤさん)
「逢いたいね」 お腹の君と する握手
(神奈川県・山本紀子さん)
年輪が 皺なら花は これからさ
(三重県・碑栗蛾さん)
イグノーベル めざして励む 父は古稀
(大阪府・まなやんさん)
佳作賞
水筒が 毎年育つ 成長期
(広島県・一歩一歩さん)
まあいいか その一言に 茶も温む
(千葉県・渡辺柳山さん)
出張で 見つけた次の デート先
(鹿児島県・井手上亮平さん)
子や孫に どんどん食えと 米送る
(岐阜県・後藤ゆう子さん)
手の甲に ケチャップパパは 俄シェフ
(岐阜県・八木良子さん)
突きあたる 年収の壁 妻の壁
(千葉県・堺忠弘さん)
お手本は 父母だと胸を 張れる幸
(神奈川県・山吹みどりさん)
ドンロー主義 丸い地球が 毬栗に
(東京都・ふわりねこさん)
子持ち鮎 リリースしてる 育児休
(岐阜県・なやなさん)
浴室の 鏡で知った 現在地
(群馬県・漢方十七錠さん)
総評
最優秀句に頂いた句は、凧あげを孫と楽しむ作者の笑顔や躍動感、富士を眺める壮大な景色まで見えてきました。孫の成長に目を細める作者の愛情がよく伝わりリズムの良い句となりました。
優秀賞の「本棚・・」の句は、本棚にあった母の本が三島文学であったことの意外性に戸惑う作者の心情が十七音でリズム良く詠まれています。それは女性として、人間として作者の知らない母の一面を垣間見たのでしょう。優秀賞「生きてたら」の句は逆縁の御子様の二十歳を祝い、酒を酌み交わした様子が詠まれています。下五の「酒献ず」に、癒えることのない悲しみと深い愛が読み手の心に響きます。
世相を反映した物価高・米騒動の句もありましたが、日常の機微を詠んだ句が多く、佳句が沢山ありました。ただ発想はいいのに「中八」「下六」の句が多かったことが残念でなりません。
これを機に初めて応募した方も作句活動を継続していただけたらと思います。
763句と沢山のご応募本当にありがとうございました。
審査員:近沢さなえ(岐阜川柳社 主幹)